客室の種類と稼働率の計算方法
内容: 宿泊産業のうち、特にホテル業界での客室の種類の基準を説明し、宿泊業の営業指標の最も基礎となる稼働率の計算練習を行う。
事前の学習( 45分)
テキスト「ホテルビジネス基礎編」の「第2章第1節宿泊部門の実務」の、「客室の種類、設備と什器備品」を読み、必要に応じて調べておく。
事後の学習( 45分)
閲覧可能なインターネットで、ホテルを検索し、10軒以上のホテルの客室の種類とその名称を調べる。
授業で計算練習をした稼働率については、自分で10問以上の問題を作り計算し理解をしておく。
今日の内容
- ベッドの種類
- 収容人数による客室の種類 room type
- 構造による客室の名称 the name of room
- 客室内の設備 equipment in the room<
- 清掃
- 客室稼働率
- 専門用語 terminology
今日の動画

ベッドの種類
ベッドの種類は、幅と長さで異なる。一般的に横幅を基準として次の5種類に分類される。実際にはメーカーによって数cmから数十cmの大小があるが、ここでは覚えやすいように、10cm位にした。縦の長さは200cm、高さは40~60cmが一般的である。
width | name |
---|---|
100cm | シングルサイズベッド, Single |
120cm | セミダブルサイズベッド, Semi double |
140cm | ダブルサイズベッド, Double |
160cm | クイーンサイズベッド, Queen |
180-200cm | キングサイズベッド, King |
追加ベッド Extra bed
客室の定員を増やすために追加するベッド。簡易ベッド、折りたたみベッド、移動式ベッド、搬入ベッドとも言われる。
- キストラベッドは、通常、追加料金、が発生する。
- 乳幼児で大人が添い寝する場合、乳幼児の宿泊料は無料が一般的である。
- エキストラベッドは数や客室の広さによって限度があるため、使用に制限がある。

ソファベッド Sofa bed
通常は2~3人掛けのソファで、背面を倒してシングルサイズベッドとして使用する。

ハウザーベッド Hide a bed
通常は1名掛けのソファで、座面を引き出してシングルサイズのベッドとして使用する。ハイダーベッド

スタッキングベッド Stacking bed
シングルサイズベッドの下に収容しているベッド。引き出して使用する。トランドルベッド Trundle bed、親子ベッド

ベビーコット Baby cot
乳幼児用のベッド
収容人数による客室の種類 room type
Single room | 1人用のベッドが1台設置された1名用の客室 |
Double room | 2名用のベッドが1台設置された2名用の客室 |
Twin room | 1人用のベッドが2台設置された2名用の客室 |
Hollywood Twin | ベッドが合わさった状態で、ダブルベッドとして使用できる。 |
Triple room | 1名用のベッドが3台設置された3名用の客室 |
Fourthroom | 1名用のベッドが4台設置された4名用の客室 |
構造による客室の名称 the name of room
テキストに追加(写真を見ながら説明を後述)
- ワンルーム one room type
- スイート・ルーム Suite room
- コネクティング・ルーム Connecting room
- メゾネットルーム Maisonette
- コテージ cottage/ヴィラvilla/バンガローbungalow/シャレーchallet
- ペントハウス Pent House
- スタジオタイプルーム Sutudio type


ワンルーム one room type
トイレ・バスルーム以外に一部屋の構造。


スイート・ルーム Suite room
suiteは「一組、一揃い」という意味で、1客室が居間(sitting room)と寝室(bed room)など、2部屋以上で構成されている。大きなものでは、複数の寝室、ミーティングルーム、食堂、キッチンなどもある。客室面積が広いため、料金は高く設定される。そのため、スイート・ルーム=高級客室、という意味になる。


コネクティング・ルーム Connecting room
隣合わせた2つの客室が、室内のドアで行き来出来るようにしている。

メゾネットルーム Maisonette
2階建ての構造の客室

コテージ cottage/ヴィラvilla/バンガローbungalow/シャレーchallet
小屋、別荘といった意味。一軒家から長屋風のものまで様々で、別棟になっている。

ペントハウス Pent House
最上階の部屋のこと、一般的に最高級客室であるため、ペントハウス=最高級客室、という意味になる。


スタジオタイプルーム Sutudio type
日本の布団式、昼は片付けて、寝る時に出す方式
客室内の設備 equipment in the room
家具 furniture
- ナイト・テーブル Night table:ベッドの脇にあるテーブル兼、コントロールパネル
- バゲッジ・ラック Baggage rack:大きなカバンを置くための場所。折りたたみ式と固定式がある。折りたたみ式はワードロープ内に入っていることがある。
- - ワードロープ Wardrobe:衣類用のロッカー。ホテルによっては金庫などを設置している。
- 追加の毛布(ブランケット[blanket])や枕(ピロー[pillow])をここに収納していることがある。
- ライティング・デスク:
- ティー・テーブル:
テーブルとデスクの違い: テーブルは天板と脚だけのもので、デスクは引き出しのあるもの。
備品 amenity
アメニティグッズ
一度使ったら再び元に戻せないもの、消耗品、1名分の容量のものなどは、アメニティグッズと総称する。宿泊料金に含まれており、未使用でもゲストが持ち帰っていい。日本のホテルでは、歯ブラシやカミソリなどの衛生用品があるのが一般的であるが、海外では一般的ではない。
浴室にあるものの例: 歯ブラシ、カミソリ、シャワーキャップ

布製品 linen
タオルやシーツなどの布製品備品を、総称して「リネン(linen)」という。これらは洗濯して再び使う。日本旅館では、フェイスタオルを、持ち帰り用のアメニティグッズとしているところもある。
- 大判のタオル:バスタオル
- 通常のタオル:フェイスタオル
- 小さなタオル:ハンドタオル
- 足用マット:バスマット
連泊する場合、環境保護からリネンの交換をするか、しないかの選択を提供するホテルがある。オーストラリアのホテルでは、リネンを交換してほしい場合は、バスタブの中に入れ、続けて使う場合はラックにかけておくシステムであった。
貸出について
ホテルによって異なるが、例えば、アイロン、電気スタンド、ヒーター、湯たんぽ、アイスノン、体温計、扇風機、加湿器、爪きり、花瓶、将棋、囲碁など。貸出料金は一般的に無料である。また様々な枕を用意しているホテルもある。原則としてナイフ類や火気類などの危険物はホテル内にあっても貸し出しはしない。代わりにその行為をホテルのスタッフが行うこともある。
清掃
4se
整理、整頓:Order
清潔、清掃:Clean
特にシティホテルの商品価値は、客室やレストラン、宴会場、ロビーなど、構造やインテリア、設備、備品などのモノ、つまりハードウェアの価値が50%、ホテルスタッフの接客、つまりソフトウェアとしての価値が50%だと言われる。ホテルのハードウェアは、経年使用やメンテナンス不備、お客様とのニーズ不適合によって商品価値は下がる。シティホテルは、ハードウェアの初期投資額が大きく、その金銭的価値が商品価値の一つでもある。したがって、ハードウェアの更新は容易ではない。ハードウェアの商品価値の低下を極力抑制するため、日常の清掃などメンテナンスは充分に行い、ハードウェアは常に清潔で快適であることが、商品としての大前提となっている。
客室稼働率
Occupancy ratio / Occupancy rate
全客室の内、実際に使用されている客室の数の割合
客室稼働率(%)=(販売客室数)/(全客室数)×100
※より具体的にする場合は、(使用されている客室数)/(販売可能客室数)
全10室のホテルが、今日、9室売れたら(お客さんが入ったら)稼働率はいくらか。
全10室のホテルが、今日、9室売れたら(お客さんが入ったら)稼働率はいくらか。
客室稼働率=9 ÷ 10 × 100
= 90%
※客室稼働率は一般的に、小数点以下第2位を四捨五入して、小数点以下第一位までの数字で表される。
練習問題
資料「客室稼働率の計算」
専門用語 terminology
Room Status Terminology
- Vacant room: 使用していないた客室
- Stay room: 滞在中、使用中の客室
- Check out room: 清掃前の客室
- Out of order: メンテナンス等で販売しない、出来ない客室
- Inspection:点検・客室を点検し販売可能にする業務
- Room indicator: 客室状況の一覧
今日の学習を、クイズで確認します。
知っていたこと、理解したこと、知らなかったことを整理します。
勉強は、知らなかったことを知ることです。
知らなかったことを知ることは、未来のチャンスを増やすことです。
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